48 歳の女性。左手関節痛を主訴に来院した。1 か月前からフライパンなどを持つと…
48 歳の女性。左手関節痛を主訴に来院した。1 か月前からフライパンなどを持つときに左手関節痛がある。外傷歴はない。職業は調理師で1 日8 時間を週6 日間、厨房で作業を行っている。左手関節橈側に腫脹と圧痛を認める。筋力低下と感覚障害を認めない。指関節に異常を認めない。左母指を他の4 指で握り込み、手関節を尺屈させると疼痛が誘発される。右手に症状はない。考えられる疾患はどれか。
- ⑴ ばね指ばね指は手指の屈筋腱腱鞘炎で、指の弾発現象が特徴です。本例は指関節に異常がありません。
- ⑵ 関節リウマチ関節リウマチでは多関節の滑膜炎を示し、特定の誘発テストによる橈側の疼痛だけでは説明できません。
- ⑶ 手根管症候群手根管症候群では正中神経領域のしびれや感覚障害を生じますが、本例に感覚障害はありません。
- ⑷ 肘部管症候群肘部管症候群は肘での尺骨神経障害で、手関節橈側の痛みとは部位が異なります。
- ⑸ de Quervain 病母指を握り込み尺屈で疼痛が誘発される手関節橈側の腱鞘炎で、de Quervain病に特徴的です。
解説
正解は⑸です。フライパンを持つなど手関節を酷使する調理師に、手関節橈側の腫脹・圧痛を認め、母指を握り込んで手関節を尺屈させると疼痛が誘発されること(Eichhoffテスト、Finkelsteinテストの変法)から、de Quervain病と診断できます。手関節第1区画の長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の狭窄性腱鞘炎で、更年期・妊娠出産期の女性や手をよく使う人に多くみられます。治療は安静、副子固定、ステロイド局所注射で、難治例では腱鞘切開を行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成