日齢12 の女児。新生児マススクリーニングで異常を認めたため、両親に連れられて来…
日齢12 の女児。新生児マススクリーニングで異常を認めたため、両親に連れられて来院した。在胎41 週、体重3,275 g、Apgar スコア9 点(1 分)、9 点(5 分)で出生した。完全母乳栄養である。3 日前から哺乳力が低下し、排便は2 日に1 回の黄色顆粒便である。来院時は活気がなく、泣き声は微弱であった。身長52 cm、体重3,312 g。体温36.4 ℃。脈拍144/分、整。血圧88/42mmHg。呼吸数48/分。SpO2 97 %(room air)。毛細血管再充満時間2 秒。皮膚は乾燥しており、黄染を認める。大泉門は径1.5 cm でやや陥凹しており、小泉門は開大している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟。臍ヘルニアを認める。腸雑音に異常を認めない。診断のために行うエックス線撮影の部位はどれか。
- ⑴ 頭蓋骨頭蓋骨のエックス線撮影は先天性甲状腺機能低下症の重症度評価には用いません。
- ⑵ 肋骨肋骨の撮影は本症の診断に役立つ所見を与えません。
- ⑶ 手根骨手根骨は骨年齢評価に用いますが、新生児では骨化中心が未出現であり、この時期の評価には適しません。
- ⑷ 腰椎腰椎の撮影は本症の診断や重症度評価に用いません。
- ⑸ 大腿骨遠位端正期産児で出生時にみられる大腿骨遠位端骨端核の欠如は、胎児期からの甲状腺機能低下を示唆します。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。新生児マススクリーニング陽性に加え、哺乳力低下、活気不良、嗄声様の微弱な啼泣、皮膚乾燥、遷延性黄疸、小泉門開大、臍ヘルニアといった所見から先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)が考えられます。胎児期からの甲状腺ホルモン不足の程度を推定するため、膝関節のエックス線撮影で大腿骨遠位端の骨端核の出現を確認します。正期産児では出生時に通常みられるため、欠如していれば胎内からの機能低下を示唆します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成