43 歳の男性。持続する咳、痰および労作時呼吸困難を主訴に来院した。小児期から風…
43 歳の男性。持続する咳、痰および労作時呼吸困難を主訴に来院した。小児期から風邪をひきやすく20 歳台から咳と痰の回数が増加した。2 年前から膿性痰が1 日中持続し息切れを自覚するようになった。自宅近くの診療所で抗菌薬を処方され症状は少し改善したが、再燃したため紹介受診した。喫煙歴はない。意識は清明。体温36.9 ℃。脈拍76/分、整。血圧116/68mmHg。呼吸数20/分。SpO2 97 %(room air)。心音に異常を認めない。呼吸音は両側下胸部にcoarse cracklesを聴取する。胸部エックス線写真で両側中・下肺野を中心にびまん性粒状陰影を認めた。胸部単純CT でびまん性小葉中心性粒状影を認めた。診断はどれか。
- ⑴ 肺気腫喫煙歴がなく、膿性痰や小葉中心性粒状影とは合いません。
- ⑵ 粟粒結核発熱などの全身症状を伴う急性経過が多く、ランダム分布の微細粒状影が特徴です。
- ⑶ 気管支拡張症慢性の膿性痰をきたしますが、気管支の拡張像が主体で、小葉中心性粒状影の説明として合いません。
- ⑷ 慢性気管支炎喫煙と関連し、小葉中心性粒状影の説明として合いません。
- ⑸ びまん性汎細気管支炎慢性の膿性痰とびまん性小葉中心性粒状影から最も考えられます。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。小児期からの易感染性、成人期からの慢性の咳と膿性痰、労作時呼吸困難、両側下肺野のcoarse crackles、CTでのびまん性小葉中心性粒状影から、びまん性汎細気管支炎が考えられます。本症は慢性副鼻腔炎を合併することが多く、HLA-B54との関連が知られる東アジアに多い疾患です。呼吸細気管支の慢性炎症で、緑膿菌感染を伴うと進行します。治療はエリスロマイシンなどのマクロライド少量長期療法が有効です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成