まず投与すべきなのはどれか。
42 歳の男性。右足関節痛を主訴に来院した。現病歴 : 昨夕から右足関節の違和感を自覚し、深夜に同部の痛みと腫れが出現した。今朝から急激に悪化し歩行困難となったため救急外来を受診した。2 年前から母趾の基部に疼痛を伴う腫脹が出現しては数日で寛解することを繰り返している。既往歴 : 3 年前から高血圧症と糖尿病で自宅近くの診療所へ通院している。生活歴 : 喫煙は20 歳から30 歳まで20 本/日。飲酒はビール500 mL/日。家族歴 : 妹が関節リウマチ。現 症 : 身長160 cm、体重76 kg。体温37.2 ℃。脈拍92/分、整。血圧160/88mmHg。呼吸数16/分。頭頸部に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。皮疹を認めない。右足関節は明らかに腫脹し、著明な圧痛と熱感を認め、痛みのため動かせない。検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖3 +、ケトン体1 +、潜血(-)。血液所見:赤血球472 万、Hb 14.0 g/dL、Ht 43 %、白血球12,300、血小板21 万。血液生化学所見:総蛋白7.5 g/dL、アルブミン3.9 g/dL、AST 48 U/L、ALT 62 U/L、LD246 U/L(基準124~222)、γ-GT 120 U/L(基準13~64)、尿素窒素12 mg/dL、クレアチニン0.6 mg/dL、尿酸7.9 mg/dL、血糖328 mg/dL、HbA1c 9.2 %(基準4.9~6.0)。CRP 10 mg/dL。右足関節の関節穿刺を実施したところ、関節液の外観は黄色混濁を呈しGram 染色では菌体を認めないが、白血球による針状結晶の貪食像を認める。
まず投与すべきなのはどれか。
- ⑴ NSAID痛風発作の急性期の第一選択として、まず投与します。
- ⑵ 麻薬性鎮痛薬痛風発作の治療に用いる薬ではありません。
- ⑶ 尿酸合成阻害薬発作中に開始すると発作が悪化するため、発作が治まってから開始します。
- ⑷ グルココルチコイドNSAIDが使えない場合などに用いる薬で、第一選択ではありません。
- ⑸ 疾患修飾性抗リウマチ薬〈DMARD〉関節リウマチの治療薬で、痛風発作には用いません。
解説
正解は⑴です。痛風発作の急性期には、炎症と疼痛を抑えるためNSAIDを短期間、比較的高用量で投与するのが第一選択です。NSAIDが使えない場合はグルココルチコイドを、発作の前兆期にはコルヒチンを用います。発作中に尿酸降下薬を開始したり血清尿酸値を急に変動させたりすると発作が悪化・遷延するため、尿酸合成阻害薬は発作が治まってから開始します。麻薬性鎮痛薬やDMARDは用いません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成