35 歳の男性。咽頭痛と発熱を主訴に来院した。3 日前から咽頭痛と38 ℃台の発…
35 歳の男性。咽頭痛と発熱を主訴に来院した。3 日前から咽頭痛と38 ℃台の発熱があった。徐々に痛みが増悪し、今朝から口が開けにくくなり飲み込みにくくなったため救急外来を受診した。意識は清明。体温38.5 ℃。脈拍92/分、整。血圧124/80mmHg。SpO2 98 %(room air)。頸部に喘鳴を聴取しない。咽頭の写真(別冊No. 24)を別に示す。診断はどれか。
- ⑴ 中咽頭癌数日の急性経過で発熱を伴っており、悪性腫瘍は考えにくいです。
- ⑵ 扁桃肥大症扁桃の生理的な肥大で、発熱や開口障害を伴いません。
- ⑶ 急性喉頭蓋炎咽頭所見に乏しく、嚥下時痛や含み声、喘鳴が特徴で、開口障害は典型的ではありません。
- ⑷ 扁桃周囲膿瘍扁桃炎に続く開口障害と嚥下困難、片側の軟口蓋腫脹が典型的です。
- ⑸ 伝染性単核球症両側扁桃の白苔や頸部リンパ節腫脹、肝脾腫が特徴で、開口障害は典型的ではありません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。咽頭痛と発熱が数日続いた後に痛みが増悪し、開口障害と嚥下困難が出現していることから、急性扁桃炎から扁桃被膜と咽頭収縮筋の間に膿瘍が形成された扁桃周囲膿瘍が考えられます。咽頭所見では片側の軟口蓋の発赤・腫脹と口蓋垂の健側への偏位がみられると想定されます。治療は穿刺や切開による排膿と抗菌薬の投与です。急性喉頭蓋炎は咽頭所見が乏しく、喘鳴などの気道症状に注意します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成