56 歳の男性。右眼痛を主訴に来院した。1 か月前に右の聴神経腫瘍を切除した。術…
56 歳の男性。右眼痛を主訴に来院した。1 か月前に右の聴神経腫瘍を切除した。術後しばらくして右眼の充血と痛みに気付いた。右眼痛は持続している。開瞼時と閉瞼時の写真(別冊No. 21)を別に示す。診断はどれか。
- ⑴ 外上斜視眼位の異常で、閉瞼不全による充血や眼痛の説明にはなりません。
- ⑵ 眼瞼下垂上眼瞼が下がる状態で、閉瞼障害とは逆の所見です。
- ⑶ 眼瞼内反睫毛が角膜に当たり痛みを生じますが、術後の閉瞼不全とは異なります。
- ⑷ 顔面神経麻痺聴神経腫瘍術後の顔面神経障害で閉瞼不全となり、角膜障害をきたします。
- ⑸ 動眼神経麻痺眼瞼下垂や外下斜視を生じますが、閉瞼は可能で本例とは合いません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。聴神経腫瘍(前庭神経鞘腫)は内耳道で顔面神経と近接しているため、腫瘍の切除術後に顔面神経麻痺を生じることがあります。顔面神経麻痺では眼輪筋の麻痺により閉瞼ができなくなり(兎眼)、閉瞼を試みると眼球が上転して白目が見えるBell現象がみられます。角膜が乾燥して露出性角膜炎を起こし、充血と眼痛を生じます。点眼薬や眼軟膏、夜間の眼帯などで角膜を保護します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成