職員500 人の工場内でX 工程に従事している職員の間で肝血管肉腫が多発している…
職員500 人の工場内でX 工程に従事している職員の間で肝血管肉腫が多発しているという報告を産業医が受けた。10 年前の工場開設以来、職員の異動はなく同じ職場に継続して勤務している。直ちに全職員の肝血管肉腫検診を行うとともに人事記録を基に(A)X 工程に配置されていた職員50 人と(B)X 工程に配置されたことがない職員450 人の2 グループを特定し、過去の健康診断結果および医療機関受診状況を確認した。(A)グループで6 人が肝血管肉腫に罹患していたのに対し、(B)グループで1 名が罹患していたことが明らかとなった。実施した調査の研究デザインはどれか。
- ⑴ 症例対照研究疾患の有無で群を分けてから曝露を調べる研究で、本調査とは群分けの基準が逆です。
- ⑵ 後向きコホート研究過去の記録を用いて、曝露群と非曝露群の疾患発生を比較しており、該当します。
- ⑶ ケースシリーズ研究比較対照群を設けずに症例を記述する研究で、本調査とは異なります。
- ⑷ ランダム化比較試験研究者が介入を割り付ける研究で、本調査は観察研究です。
- ⑸ メタ分析〈メタアナリシス〉複数の研究結果を統合して解析する研究で、本調査とは異なります。
解説
正解は⑵です。人事記録という過去の記録を用いて、曝露の有無(X工程に従事した群と従事していない群)でまず対象者を分け、過去にさかのぼってそれぞれの群の肝血管肉腫の発生を比較しています。曝露から結果へという時間の流れで調べながら、過去の記録を用いて追跡しているため、後向きコホート研究に当たります。症例対照研究は、疾患の有無で群を分けてから過去の曝露を調べる研究デザインです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成