72 歳の女性。頭痛および眼痛を主訴に来院した。昨夜から右眼の痛みとともに頭痛が…
72 歳の女性。頭痛および眼痛を主訴に来院した。昨夜から右眼の痛みとともに頭痛が出現し増悪している。視力は右眼0.05(矯正不能)、左眼1.0。右眼の瞳孔径は4 mm で直接対光反射は消失。閉瞼させて指で触れると、左眼球が弾性軟、右眼球が明らかに硬い。右眼の細隙灯顕微鏡写真(別冊No. 3)を別に示す。対応で適切なのはどれか。
- ⑴ 経過観察眼圧上昇が持続すると短期間で視神経が障害されるため、経過観察は不適切です。
- ⑵ 抗菌薬点眼感染症ではないため、抗菌薬点眼は無効です。
- ⑶ 縮瞳薬点眼虹彩を伸展させて隅角を開放し、眼圧を下降させるため適切です。
- ⑷ 眼球マッサージ網膜中心動脈閉塞症で試みられる処置で、緑内障発作の治療ではありません。
- ⑸ グルココルチコイド内服ステロイドは眼圧上昇をきたし得るため、急性緑内障発作には用いません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。高齢女性の片眼の急激な眼痛と頭痛、高度な視力低下、瞳孔の中等度散大と対光反射の消失、眼球が触診で明らかに硬いことから、急性閉塞隅角緑内障(急性緑内障発作)が考えられます。細隙灯顕微鏡では浅前房と角膜浮腫、結膜充血がみられると想定されます。治療は縮瞳薬(ピロカルピン)点眼で虹彩を引き伸ばして隅角を開放し、高浸透圧薬の点滴や炭酸脱水酵素阻害薬で眼圧を下げ、その後レーザー虹彩切開術などを行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成