29 歳の男性。労作時呼吸困難を主訴に来院した。数年前から職場健診で高血圧と尿検…
29 歳の男性。労作時呼吸困難を主訴に来院した。数年前から職場健診で高血圧と尿検査異常を指摘されていたが、医療機関を受診しなかった。1 週間前から階段を昇る際に息切れを自覚したため受診した。意識は清明。身長172 cm、体重82 kg。体温36.4 ℃。脈拍104/分、整。血圧228/132mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96 %(room air)。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。両前脛骨部に圧痕性浮腫を認める。神経診察で異常を認めない。尿所見:比重1.020、蛋白3 +、潜血3 +、沈渣に変形赤血球を多数認める。血液所見:赤血球422 万、Hb 13.7 g/dL、Ht 40 %、白血球9,800、血小板17 万。血液生化学所見:総蛋白6.9 g/dL、アルブミン3.8g/dL、尿素窒素52 mg/dL、クレアチニン4.0mg/dL、Na 138 mEq/L、K 2.9mEq/L、Cl 106 mEq/L。降圧薬治療の準備中にまず行う検査はどれか。
- ⑴ 頭部CT神経診察で異常がなく、まず行う検査として優先度は高くありません。
- ⑵ 眼底検査乳頭浮腫や網膜出血を確認し、悪性高血圧の診断に不可欠な検査です。
- ⑶ 頸動脈エコー検査動脈硬化の評価に有用ですが、緊急性の高い本例でまず行う検査ではありません。
- ⑷ 腹部エックス線撮影本例の病態評価に役立つ情報は乏しい検査です。
- ⑸ 足関節上腕血圧比〈ABI〉末梢動脈疾患の評価法で、本例でまず行う検査ではありません。
解説
正解は⑵です。長期間放置された高血圧と蛋白尿・血尿があり、血圧228/132 mmHgと著明に上昇し、腎機能障害が進行していることから、悪性高血圧(加速型-悪性高血圧)が疑われます。悪性高血圧の診断には、眼底での乳頭浮腫、網膜出血や白斑など高血圧性網膜症の確認が重要で、降圧治療の準備中にまず眼底検査を行います。降圧は急激に行うと臓器虚血をきたすため、段階的に進めます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成