65 歳の女性(2 妊1 産)。乳房のしこりを主訴に来院した。10 年ほど前から…
65 歳の女性(2 妊1 産)。乳房のしこりを主訴に来院した。10 年ほど前から左乳房のしこりを自覚していたが様子をみていた。最近になって痛みが出現したため受診した。乳癌の家族歴はない。身長160 cm、体重60 kg。体温36.0 ℃。脈拍80/分、整。血圧146/90mmHg。左乳房に皮膚の陥凹を認め、径3 cm の腫瘤を触知する。マンモグラフィでは周囲にスピキュラを伴う高濃度腫瘤陰影と多形性の微細石灰化像を認めた。診断はどれか。
- ⑴ 乳癌皮膚陥凹、スピキュラ、多形性微細石灰化は乳癌に典型的な所見です。
- ⑵ 乳腺症性ホルモンの影響による良性変化で、スピキュラや皮膚陥凹はみられません。
- ⑶ 葉状腫瘍急速に増大する境界明瞭な分葉状腫瘤が特徴で、スピキュラは通常伴いません。
- ⑷ 慢性乳腺炎炎症性の病変で、スピキュラや多形性微細石灰化は典型的ではありません。
- ⑸ 乳腺線維腺腫若年者に多い境界明瞭な良性腫瘍で、浸潤所見は伴いません。
解説
正解は⑴です。高齢女性の乳房腫瘤で、皮膚の陥凹(えくぼ徴候)、痛みの出現、マンモグラフィで辺縁にスピキュラを伴う高濃度腫瘤と多形性の微細石灰化を認めることから、乳癌が最も考えられます。スピキュラは周囲組織への浸潤を、多形性微細石灰化は乳管内の癌の進展を示唆する所見です。確定診断には針生検による組織診断を行います。良性疾患ではこのような浸潤を示す所見はみられません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成