64 歳の男性。左耳下部の腫脹を主訴に来院した。10 年前から左耳下部に腫瘤を自…
64 歳の男性。左耳下部の腫脹を主訴に来院した。10 年前から左耳下部に腫瘤を自覚し、3 年前から右耳下部にも小さい腫瘤を自覚していた。腫瘤は一時増大と縮小を繰り返していた。右耳下部には直径20 mm、左耳下部には直径35 mm の弾性軟の腫瘤を触知した。皮膚との癒着はなく圧痛は認めなかった。頸部単純MRI の脂肪抑制T1 強調水平断像(別冊No. 12)を別に示す。診断はどれか。
- ⑴ 唾石症食事時の唾液腺の腫脹や疼痛が特徴で、顎下腺に多く、無痛性の両側腫瘤とは合いません。
- ⑵ 正中頸囊胞頸部正中に生じる先天性嚢胞で、耳下部の腫瘤ではありません。
- ⑶ Warthin 腫瘍高齢男性の両側耳下腺下極にみられ、大きさが変動する良性腫瘍として合致します。
- ⑷ Sjögren 症候群両側唾液腺腫脹をきたしますが、口腔・眼の乾燥症状を伴い、限局性腫瘤とは異なります。
- ⑸ 耳下腺多形腺腫耳下腺腫瘍で最多ですが、片側の弾性硬の腫瘤が通常で両側性はまれです。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。高齢男性の両側耳下腺に弾性軟の腫瘤があり、増大と縮小を繰り返していることから、Warthin腫瘍が考えられます。Warthin腫瘍は耳下腺下極に好発する良性腫瘍で、喫煙男性に多く、両側性や多発性がみられるのが特徴です。99mTc-シンチグラフィで集積を示すことも知られています。耳下腺多形腺腫は最も多い耳下腺良性腫瘍ですが、片側の弾性硬の腫瘤が通常で、両側性はまれです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成