72歳の男性。血糖の管理が悪い糖尿病がある。2日前から右上腹部痛と発熱があり、本…
72歳の男性。血糖の管理が悪い糖尿病がある。2日前から右上腹部痛と発熱があり、本日、痛みが強くなった。右上腹部に圧痛と筋性防御がある。腹部CTで、胆嚢の壁の中と胆嚢の内腔にガスがあり、胆嚢の周りに液体のたまりがある。最も適切な対応はどれか。
- ⑴ 腸閉塞として、胃管で胃の中のガスを抜いて経過を見る。ガスは胆嚢の壁と内腔にあり、腸閉塞ではありません。
- ⑵ 血糖を下げることを優先し、腹部の治療は血糖が安定する1か月後に行う。血糖の管理は大切ですが、胆嚢の壊死や穿孔の危険が高く、治療を遅らせてはいけません。
- ⑶ 重い気腫性胆嚢炎として、緊急の手術やドレナージを行う。気腫性胆嚢炎は糖尿病の高齢者に多く、壊死や穿孔を起こしやすいため、緊急の胆嚢摘出やドレナージが必要です。
- ⑷ 胆石を溶かす薬を内服させ、数か月かけて治療する。重い感染と腹膜炎の所見があり、時間のかかる内服治療では対応できません。
- ⑸ 胆嚢のガスは食事で飲み込んだ空気なので、特別な治療はせずに経過を見る。胆嚢の壁の中のガスは、ガスを作る細菌の感染を示す重い所見です。
解説
ガスを作る菌による重い胆嚢炎として、抗菌薬とともに緊急の手術やドレナージを行うのが適切です。気腫性胆嚢炎は、ガスを作る嫌気性菌などが胆嚢に感染して起こる重い胆嚢炎で、糖尿病のある高齢の男性に多くみられます。胆嚢の壁の血流が悪くなって壊死や穿孔を起こしやすく、通常の胆嚢炎より死亡率が高いため、抗菌薬を投与しながら、早期に胆嚢摘出術や経皮的な胆嚢ドレナージを行います。
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