在胎40週で出生した男児。分娩の終わりに胎児の心拍数の低下が続き、吸引分娩で娩出…
在胎40週で出生した男児。分娩の終わりに胎児の心拍数の低下が続き、吸引分娩で娩出された。出生直後に臍帯動脈の血液を調べたところ、pHが6.95と著しく低く、塩基欠乏が大きかった。この検査結果が示すこととして最も適切なのはどれか。
- ⑴ 胎児の腎臓の働きが生まれつき弱く、酸を尿に出せなかった。分娩中の急な心拍数の低下に続く変化であり、腎臓の先天的な異常では説明しにくい結果です。
- ⑵ 採血の手技の誤りによるもので、児の状態を反映していない。胎児の心拍数の低下が続いていた経過と合っており、検査の誤りと決めつけるのは不適切です。
- ⑶ 胎内で低酸素が続き、乳酸がたまってアシドーシスになっていた。臍帯動脈血のpHと塩基欠乏は、出生直前の胎児の低酸素の程度を客観的に示す指標です。
- ⑷ 出生後に泣きすぎて二酸化炭素を吐き出し、血液がアルカリ性に傾いていた。pHが低いのは酸性に傾いていることを示します。また臍帯の血液は出生前の状態を反映します。
- ⑸ 母体の血糖が高く、胎児の血液にブドウ糖が過剰に含まれていた。臍帯動脈血のpHの低下と塩基欠乏は、血糖の高さではなく低酸素によるアシドーシスを示します。
解説
胎内で低酸素の状態が続き、乳酸がたまって代謝性のアシドーシスになっていたことを示します。胎児が低酸素になると、酸素を使わない代謝が進んで乳酸がたまり、血液が酸性に傾いて塩基欠乏が大きくなります。臍帯動脈の血液は、出生直前の胎児の状態を反映するため、そのpHや塩基欠乏は、仮死の程度や低酸素性虚血性脳症の危険を客観的に評価する手がかりとなり、出生後の治療の判断に用いられます。
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