58歳の男性。若いころに結核性の胸膜炎と心膜炎にかかったことがある。1年前から足…
58歳の男性。若いころに結核性の胸膜炎と心膜炎にかかったことがある。1年前から足のむくみとお腹の張りが強くなってきた。座っても首の静脈が大きく膨らみ、息を吸うとさらに膨らむ。拡張期の早い時期に短い音が聞こえる。胸部CTで心臓を包む膜が厚くなり、石灰化している。この病気について正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 心臓の筋肉そのものが厚くなり、左室の出口が狭くなる。心筋の肥大ではなく、心膜が硬くなることが原因です。
- ⑵ 心膜の中に大量の液体が急にたまり、数分で血圧が下がる。液体が急にたまるのは心タンポナーデで、本例は1年かけて進む心膜の肥厚です。
- ⑶ 硬くなった心膜が心臓を締めつけ、心臓が拡張期に十分に広がれない。収縮性心膜炎では心膜が厚く硬くなり、心臓の拡張が妨げられて右心不全の症状が強く出ます。
- ⑷ 硬くなった心膜を手術ではがして取り除くことで、症状の改善が期待できる。心膜を切除する手術で、心臓が広がれるようになり、症状が改善します。
- ⑸ 利尿薬を使えば、硬くなった心膜は元のやわらかさに戻る。利尿薬でむくみは和らぎますが、硬くなった心膜は戻りません。
解説
正しいのは、硬くなった心膜が心臓を締めつけて拡張を妨げることと、心膜を手術で取り除くと症状の改善が期待できることです。収縮性心膜炎は、結核や手術、放射線治療などのあとに心膜が厚く硬くなり、心臓が拡張期に十分に広がれなくなる病気です。静脈に血液がうっ滞して、首の静脈の怒張、肝臓の腫れ、腹水、足のむくみが強く出ます。息を吸うと首の静脈がさらに膨らむのも特徴です。
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