58歳の女性。双極症で炭酸リチウムを長く内服している。1週前から腰痛のため市販の…
58歳の女性。双極症で炭酸リチウムを長く内服している。1週前から腰痛のため市販の非ステロイド性抗炎症薬を飲み始め、暑さで食事と水分もあまりとれていなかった。2日前から下痢と吐き気があり、手が大きく震え、本日はろれつが回らず、ぼんやりしている。血中リチウム濃度は治療域を大きく超えていた。対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 活性炭を繰り返し飲ませて、腸からの吸収を抑える。リチウムは活性炭にほとんど吸着されず、効果は期待できません。
- ⑵ 利尿薬を大量に使って、尿と一緒にリチウムを出す。利尿薬の多くはリチウムの再吸収を増やし、脱水も進めて血中濃度を上げます。
- ⑶ リチウムを中止して輸液を行い、重い場合は血液透析で除く。リチウムは腎臓から排泄されるため、脱水や抗炎症薬で血中濃度が上がります。中止と輸液で排泄を促し、重症では透析を行います。
- ⑷ 震えを止めるため、炭酸リチウムの量を増やす。震えはリチウムの過剰による症状で、増量すると中毒がさらに悪化します。
- ⑸ 腰痛が続いているので、抗炎症薬を増やしてから経過を見る。非ステロイド性抗炎症薬はリチウムの排泄を減らし、中毒を悪化させます。
解説
炭酸リチウムを中止して輸液を行い、重い場合は血液透析で体外へ除くのが最も適切です。リチウムは治療に使う量と中毒を起こす量の差が小さく、腎臓から排泄されるため、脱水や非ステロイド性抗炎症薬、一部の降圧薬や利尿薬との併用で血中濃度が上がりやすくなります。中毒では下痢や吐き気、粗大な震え、ろれつの回りにくさ、意識障害が起こります。活性炭には吸着されにくく、重症では血液透析で除去します。
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