24歳の男性。オートバイで転倒し、救急搬送された。右の下腿が大きく曲がって変形し…
24歳の男性。オートバイで転倒し、救急搬送された。右の下腿が大きく曲がって変形し、強い痛みを訴えている。呼吸数36/分で浅く、経皮的動脈血酸素飽和度は室内の空気で86%、左胸の呼吸音が弱い。脈拍120/分、血圧104/70 mmHg。救急外来で最初に行うこととして最も適切なのはどれか。
- ⑴ 痛みを和らげるため、まず麻薬性鎮痛薬を静脈内に多めに注射する。呼吸が悪化している状態で多量の鎮痛薬を使うと、呼吸がさらに抑えられるおそれがあります。
- ⑵ 下腿にとらわれず、呼吸を評価して酸素を投与し、胸部の原因に対応する。外傷の初期診療では、目立つ損傷より先に気道・呼吸・循環の異常を見つけて対処します。
- ⑶ 頭部の損傷を確かめるため、まず頭部のCTを撮影する。意識の評価や画像検査は、呼吸と循環を安定させたあとに行います。
- ⑷ 下腿の骨折を確かめるため、まず下肢のエックス線撮影に向かう。呼吸の状態が悪い患者を、評価と処置をしないまま撮影室に移すのは危険です。
- ⑸ 痛みの強い右下腿を優先し、変形を元に戻して副木で固定する。骨折の固定は大切ですが、命にかかわる呼吸の異常への対処が先です。
解説
下腿の変形にとらわれず、呼吸の状態を評価して酸素を投与し、胸部の原因に対応するのが最も適切です。外傷の初期診療では、見た目に目立つ損傷に注意を奪われず、気道、呼吸、循環の順に命にかかわる異常を探して、その場で処置します。本例は呼吸数の増加と酸素飽和度の低下、片側の呼吸音の減弱があり、胸部の損傷が疑われます。下腿の固定や画像検査は、呼吸と循環が安定してから行います。
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