58歳の男性。悪性リンパ腫で、10日前に抗癌薬の点滴治療を受けた。本日、38.6…
58歳の男性。悪性リンパ腫で、10日前に抗癌薬の点滴治療を受けた。本日、38.6℃の発熱と寒気があり受診した。せきや下痢はなく、目立つ感染の部位は見当たらない。血圧と意識は保たれている。白血球数は600/μLで、そのほとんどがリンパ球である。最初の対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 血液培養を採ってから、直ちに幅広い菌に効く抗菌薬を点滴で始める。抗癌薬で好中球が大きく減った状態の発熱は、急速に重症化します。培養を採ったうえで、すぐに抗菌薬を始めます。
- ⑵ 感染の部位が分かるまでは抗菌薬を控え、解熱薬を飲ませて帰宅させる。好中球が少ないと炎症の所見が出にくく、部位が分からないまま重症化します。待つのは危険です。
- ⑶ 次の抗癌薬の点滴を予定どおりに行い、病気の治療を優先する。発熱と好中球減少がある状態で抗癌薬を追加すると、感染がさらに悪化します。
- ⑷ 発熱の原因はリンパ腫そのものなので、副腎皮質ステロイドを増やす。抗癌薬の後に白血球が大きく減った時期の発熱は、まず感染を考えて対応します。
- ⑸ 白血球を増やすため、赤血球液の輸血を行って経過を見る。赤血球液の輸血で白血球は増えません。感染への対応が優先されます。
解説
血液培養を採ってから、直ちに幅広い菌に効く抗菌薬を点滴で始めるのが最も適切です。抗癌薬の投与から1〜2週後には骨髄の働きが抑えられ、細菌と戦う好中球が大きく減ります。この時期の発熱は、感染の部位がはっきりしなくても重い細菌感染症の始まりであることが多く、数時間で敗血症に進むことがあります。好中球が少ないと炎症の所見も出にくいため、検体を採ったうえで、待たずに抗菌薬を始めます。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。