55歳の男性。健康診断で採血したが、検体は遠心分離されずに採血管のまま冷蔵庫で一…
55歳の男性。健康診断で採血したが、検体は遠心分離されずに採血管のまま冷蔵庫で一晩置かれ、翌日に測定された。血清カリウム6.4 mEq/L、ほかの電解質と腎機能は正常であった。本人に症状はなく、心電図に異常はない。この値の説明として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 冷やしたことで水分が蒸発し、血清が濃くなった。濃縮が原因ならほかの電解質も上がるはずで、カリウムだけが高いことは説明できません。
- ⑵ 副腎のホルモンが不足し、尿にカリウムを出せなくなった。副腎不全を示す症状やナトリウムの異常がなく、検体の扱いで説明できる値です。
- ⑶ 血球の中のカリウムが、時間とともに血清の側へ漏れ出た。全血のまま長く置くと、特に低温では血球のポンプが働かず、細胞内のカリウムが血清に漏れて高く測れます。
- ⑷ 腎臓からのカリウムの排泄が落ち、体内にたまっている。腎機能は正常で症状も心電図の変化もなく、体内でカリウムが増えているとは考えにくい状況です。
- ⑸ 食事でとった果物のカリウムが、そのまま血液に増えた。腎機能が正常なら、食事のカリウムで血清値がここまで上がることはまずありません。
解説
血球の中のカリウムが時間とともに血清に漏れ出たことで説明できます。カリウムは細胞の中に多く含まれており、採血後に全血のまま長く置いたり、冷蔵したり、溶血したりすると、細胞から血清へ漏れて実際より高く測れます。症状や心電図の変化がなく、ほかの検査値も正常なときは、この見かけの高カリウム血症を疑い、正しく処理した検体で測り直して確かめます。
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