72歳の男性。骨髄異形成症候群で貧血が進み、赤血球液を輸血することになった。輸血…
72歳の男性。骨髄異形成症候群で貧血が進み、赤血球液を輸血することになった。輸血部から届いた製剤には、あらかじめ放射線が照射されていた。この処理の主な目的として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 保存中に混入した細菌を死滅させ、敗血症の発生を防ぐ。細菌汚染の対策は採血時の消毒や初流血の除去などで行い、照射の目的ではありません。
- ⑵ 血液中に含まれる肝炎ウイルスを不活化し、感染を防ぐ。ウイルス感染は献血時の検査で防ぎます。通常の照射量ではウイルスは不活化されません。
- ⑶ リンパ球の増殖を止め、輸血後の移植片対宿主病を防ぐ。放射線照射は製剤中のリンパ球の増殖能を失わせ、輸血後移植片対宿主病を予防します。
- ⑷ 製剤中の白血球が出す物質を減らし、発熱反応を防ぐ。発熱反応の予防には保存前の白血球除去が役立ちますが、照射はその目的で行いません。
- ⑸ 血液型の違いによる抗体との反応を弱め、溶血を防ぐ。不適合輸血の溶血は照射では防げず、血液型の確認と交差適合試験で防ぎます。
解説
製剤中のリンパ球の増殖を止め、輸血後の移植片対宿主病を防ぐことが目的です。輸血された血液のリンパ球が患者の体内で増え、患者の組織を攻撃すると、発熱、紅斑、肝障害、汎血球減少をきたし、多くは致命的になります。いったん起きると有効な治療がないため、照射による予防が重要です。白血球除去は発熱反応などを減らす処理で、照射とは目的が異なります。
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