70歳の男性。痛みのない肉眼的血尿で受診した。尿細胞診で悪性の細胞を認め、CTで…
70歳の男性。痛みのない肉眼的血尿で受診した。尿細胞診で悪性の細胞を認め、CTで左の腎盂に腫瘍がある。膀胱鏡で膀胱には腫瘍を認めない。遠隔転移はない。左の腎臓と尿管を全部取り、膀胱の尿管の出口の部分も一緒に切除する手術を行うことになった。尿管まで含めて切除する理由として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 尿管を残すと、反対側の腎臓の働きが悪くなる。左の尿管を残しても反対側の腎臓の働きには影響しません。
- ⑵ 尿管は手術の後に結石ができやすく、予防のために取る。結石の予防のために尿管を取ることはありません。
- ⑶ 腎盂の腫瘍は放射線がよく効くため、尿管を残しても照射で治せない。尿管を切除する理由は放射線の効き方ではなく、尿路上皮癌が尿管にも生じやすいためです。
- ⑷ この腫瘍は腎臓の実質から生じた腎細胞癌で、尿管へ広がりやすい。この腫瘍は腎盂の尿路上皮から生じた癌で、腎実質から生じる腎細胞癌とは異なります。
- ⑸ 尿路上皮の癌は、同じ側の尿管や膀胱に多発・再発しやすい。腎盂の尿路上皮癌は同じ尿路の別の場所にも多発・再発しやすいため、尿管と膀胱の一部まで含めて切除します。
解説
尿路上皮の癌は、同じ側の尿管や膀胱に多発・再発しやすいためです。腎盂、尿管、膀胱の内側は同じ尿路上皮で覆われており、ここから生じる尿路上皮癌は、時期や場所を変えて多発しやすい性質があります。そのため腎盂の癌では、腎臓と尿管を全部取り、膀胱の尿管の出口の部分も一緒に切除します。手術後も膀胱に再発しやすいため、膀胱鏡で定期的に経過を見ます。
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