38歳の男性。早朝、突然、左の腰から脇腹にかけての激しい痛みで目が覚め、痛みは下…
38歳の男性。早朝、突然、左の腰から脇腹にかけての激しい痛みで目が覚め、痛みは下腹部から陰嚢のほうへ響いている。じっとしていられず体をよじっている。体温36.8℃。左の肋骨脊柱角に叩打痛がある。尿検査で潜血3+、白血球は陰性である。最も考えられる病態はどれか。
- ⑴ 腎盂に細菌が入り込んで炎症を起こし、腎臓の周りに膿がたまった。腎盂腎炎では発熱と膿尿を伴います。この患者は発熱がなく、尿中の白血球も陰性です。
- ⑵ 腎臓でできた石が尿管に下りて詰まり、尿の流れが急に妨げられた。突然の側腹部から下腹部・陰嚢へ放散する激痛、血尿、発熱がないことは、尿管結石の典型的な経過です。
- ⑶ 精巣が精索を軸にしてねじれ、精巣への血流が途絶えてしまった。精巣捻転では陰嚢そのものが腫れて強く痛みます。肋骨脊柱角の叩打痛や血尿は説明できません。
- ⑷ 膀胱の粘膜に腫瘍ができ、その表面から出血して塊が詰まっている。膀胱腫瘍の血尿は痛みを伴わないことが多く、突然の激しい側腹部痛の原因としては考えにくいです。
- ⑸ 腹部大動脈の壁がふくらんで破れ、後腹膜に大量の血液が流れ出た。腹部大動脈瘤の破裂は高齢者に多く、血圧低下などのショックを伴います。38歳で血尿が目立つ経過とは合いません。
解説
腎臓でできた石が尿管に下りて詰まった尿管結石が最も考えられます。尿管が急にふさがると腎盂の圧が上がり、側腹部から下腹部、陰嚢や大陰唇へと響く激しい痛みが起こります。患者はじっとしていられず、肋骨脊柱角の叩打痛と血尿を伴うのが特徴です。発熱や膿尿があれば感染を合併した状態として緊急の処置が必要ですが、この患者には見られません。
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