22歳の女性。大学生。1年前から、試験や発表の前になると腹痛と下痢を繰り返し、排…
22歳の女性。大学生。1年前から、試験や発表の前になると腹痛と下痢を繰り返し、排便すると腹痛は軽くなる。血便、発熱、体重減少はなく、夜間に症状で目が覚めることもない。血液検査と便潜血検査、大腸内視鏡検査に異常はない。最も考えられる病態はどれか。
- ⑴ 大腸の粘膜に連続した炎症が起き、ただれや潰瘍が広がっている。潰瘍性大腸炎では血便が見られ、内視鏡で粘膜の炎症が確認されます。この患者の所見とは合いません。
- ⑵ 細菌に汚染された食べ物を食べて、腸に急性の炎症が生じている。感染性腸炎は急性の経過をとり、1年にわたって緊張する場面で繰り返す経過とは合いません。
- ⑶ 腸に目に見える病変がないまま、腸の動きや感じ方が過敏になっている。ストレスで悪化し排便で軽くなる腹痛と便通異常が続き、検査で器質的な異常がないのは過敏性腸症候群の特徴です。
- ⑷ 小腸や大腸に飛び飛びに深い潰瘍ができ、腸の壁が厚くなっている。クローン病では体重減少や発熱、内視鏡での潰瘍が見られます。検査が正常な経過とは合いません。
- ⑸ 大腸にできた腫瘍のために便の通り道が狭くなり、腹痛が出ている。大腸の腫瘍では内視鏡で病変が見つかります。若年で検査が正常なこの患者には当たりません。
解説
腸に目に見える病変がないまま、腸の動きや感じ方が過敏になっている過敏性腸症候群が最も考えられます。腹痛と便通の異常が慢性に続き、排便で腹痛が軽くなり、精神的な緊張で悪化するのが特徴です。血便、発熱、体重減少、夜間の症状などの警告となる所見がなく、内視鏡などの検査で器質的な病気が否定されることが診断の前提です。心身症の代表的な病気の一つです。
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