22歳の女性。朝礼で長時間立っていたところ、気分が悪くなり、冷や汗と吐き気を感じ…
22歳の女性。朝礼で長時間立っていたところ、気分が悪くなり、冷や汗と吐き気を感じた直後に倒れた。意識を失っていたのは十数秒で、横になるとすぐに回復した。けいれんや尿失禁はなく、意識が戻った直後から受け答えは正常であった。既往歴に特記すべきことはない。この意識消失の原因として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 長く立っていたことをきっかけに迷走神経が強く働き、徐脈と血圧の低下が起きた。立位の持続を誘因とし、冷汗や悪心の前ぶれがあり、臥位ですぐ回復する経過は血管迷走神経反射に典型的です。
- ⑵ 血糖が大きく下がり、脳がブドウ糖を使えなくなって意識が保てなくなった。低血糖による意識障害は糖を補うまで回復しにくく、横になるだけで十数秒で戻る経過には合いません。
- ⑶ 大脳の神経細胞が過剰に同期して発火し、全身の発作が起きて意識が途切れた。てんかん発作ではけいれんや発作後のもうろう状態を伴うことが多く、前ぶれの冷汗や速やかな回復とは合いません。
- ⑷ 脳の血管が一時的に詰まり、意識を保つ脳幹の働きが短時間途絶えた。一過性脳虚血発作は手足の麻痺など局所の症状が主体で、意識だけを失うことはまれです。若年者でも考えにくいです。
- ⑸ 心房と心室の間の伝導が途絶え、心室の拍動が長く止まって脳血流が減った。高度房室ブロックは体位と関係なく前ぶれなしに起こることが多く、既往のない若年女性の経過には合いません。
解説
長時間の立位をきっかけに迷走神経が強く働いて起こった失神と考えられます。血管迷走神経反射による失神は、立ちっぱなしや痛み、精神的な緊張などを誘因に、冷汗や吐き気、目の前が暗くなるなどの前ぶれに続いて起こり、横になると速やかに回復します。てんかん発作ではけいれんや発作後のもうろう状態が、不整脈では前ぶれのない突然の意識消失が特徴です。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。