その後、このウイルスはノロウイルスであることが判明した。この薬剤師の感染対策に関…
震度7 の地震が発生した。避難所では、臨時の診療所が開設されており、薬剤師が災害救助要員として参加した。この地域では、吐き気や咽頭痛の症状と共に微熱や悪寒がみられるというウイルス感染症が流行し始めていた。この感染症について、避難者の間ではSNS(Social Networking Service)などで、不正確な感染対策の噂が広まっていた。
その後、このウイルスはノロウイルスであることが判明した。この薬剤師の感染対策に関する対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ グルタラールでうがいを励行するよう指示した。グルタラールは器具の消毒に用いる毒性の強い薬剤で、うがいに用いてはいけません。
- ⑵ クロルヘキシジングルコン酸塩はノロウイルスの消毒には有効ではないと説明した。エンベロープをもたないノロウイルスにはクロルヘキシジンが無効であり、正しい説明です。
- ⑶ メタノールで手指の消毒をするよう指示した。メタノールは毒性があり手指消毒には用いません。またノロウイルスにはアルコール類の効果も限られます。
- ⑷ 床に嘔吐物が付着した場合は、塩素系漂白剤を使用して消毒するよう指示した。嘔吐物が付着した床などは、塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)で消毒するのが有効です。
- ⑸ 石鹸とベンザルコニウム塩化物の配合液が消毒に有効であると説明した。陽イオン界面活性剤のベンザルコニウムは陰イオン性の石鹸と混ぜると効果が落ち、ノロウイルスにも有効ではありません。
解説
正解は⑵と⑷です。ノロウイルスはエンベロープをもたないため、クロルヘキシジンや逆性石鹸(ベンザルコニウム塩化物)、アルコールなどの消毒薬に抵抗性があります。嘔吐物や便で汚染された床などは、次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤を薄めて消毒するのが有効です。手指は石鹸と流水による手洗いが基本です。グルタラールは毒性が強く、うがいに用いてはいけません。メタノールは毒性があり手指消毒には使わず、石鹸とベンザルコニウムを混ぜると効果が打ち消されます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成