新しく合成した医薬品の候補化合物と、その代謝物の構造を決めるため、質量分析を行っ…
新しく合成した医薬品の候補化合物と、その代謝物の構造を決めるため、質量分析を行った。イオン化の方法と得られる情報に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ エレクトロスプレーイオン化法では、大きなたんぱく質も多価イオンとして測定できる。溶液から直接イオンをつくるため分子が壊れにくく、多価イオンになることで大きな分子も測れます。
- ⑵ 高い分解能で精密な質量を測ると、その値から分子式を推定することができる。元素ごとに質量のわずかな端数が異なるため、精密な質量から組成を絞り込めます。
- ⑶ 塩素を1個含む化合物では、分子イオンより2大きい位置に分子イオンとほぼ同じ強さのピークが現れる。塩素1個ではおよそ3分の1の強さで、ほぼ同じ強さになるのは臭素を1個含む場合です。
- ⑷ 電子イオン化法では分子イオンが壊れにくいため、フラグメントイオンはほとんど観察されない。電子イオン化法はエネルギーが大きく、分子イオンが壊れて多くのフラグメントイオンが観察されます。
- ⑸ 多価イオンは、同じ質量の1価のイオンより大きな質量電荷比の位置に現れる。質量を電荷で割った値で分けるため、多価イオンは小さな値の位置に現れます。
解説
正解は⑴と⑵です。エレクトロスプレーイオン化法は溶液から穏やかにイオンをつくる方法で、たんぱく質などの大きな分子も多価イオンとして測定できます。高分解能の質量分析では、精密な質量から分子式を推定できます。電子イオン化法は分子が壊れやすく、フラグメントイオンから構造の情報が得られます。質量分析計は質量を電荷で割った値でイオンを分け、塩素1個では2大きい位置に約3分の1のピークが現れます。
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