病棟の薬剤師が、ある薬の効果について医師から質問を受け、関連する文献を集めた。根…
病棟の薬剤師が、ある薬の効果について医師から質問を受け、関連する文献を集めた。根拠に基づく医療の考え方で、研究デザインごとのエビデンスの水準に関する記述として、正しいのはどれか。
- ⑴ 経験の豊富な専門家の意見は、臨床試験より多くの患者を診た経験に基づくため、水準が最も高い。専門家の意見は、体系的なデータに基づかないため、エビデンスの水準では最も低く位置づけられます。
- ⑵ 水準の高いエビデンスが得られたら、患者の価値観や状況を考えずにそのまま治療方針とする。根拠に基づく医療では、エビデンスに患者の価値観、臨床の状況、医療者の経験を合わせて判断します。
- ⑶ 1人の患者の経過を詳しく記録した症例報告は、ランダム化比較試験より水準が高い。症例報告は仮説の手がかりにはなりますが、比較の対照がなく、水準は低く位置づけられます。
- ⑷ 観察研究のコホート研究は、介入の割り付けを行うランダム化比較試験より水準が高い。コホート研究は交絡の影響を受けやすく、一般にランダム化比較試験より水準は低くなります。
- ⑸ ランダム化比較試験を系統的に統合したメタアナリシスは、水準が最も高い。系統的に集めた質の高い試験を統合した結果は、偏りが少なく、最も信頼性が高いとされます。
解説
正解は⑸です。根拠に基づく医療では、研究デザインによってエビデンスの水準が異なり、一般に複数のランダム化比較試験を系統的に集めて統合したメタアナリシスが最も高く、次いで個々のランダム化比較試験、コホート研究や症例対照研究、症例報告の順に下がり、専門家の意見は最も低く位置づけられます。ただし得られた根拠は、患者の価値観や臨床の状況と合わせて判断し、個々の患者に適用します。
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