窒素原子を含む化合物の塩基性の強さは、窒素の非共有電子対がどれだけプロトンを受け…
窒素原子を含む化合物の塩基性の強さは、窒素の非共有電子対がどれだけプロトンを受け取りやすいかで決まる。ジエチルアミン、アニリン、ピリジン、ピロール、アセトアミドのうち、水溶液中で最も強い塩基性を示す化合物とその理由として、正しいのはどれか。
- ⑴ アニリンで、窒素の非共有電子対がベンゼン環と共鳴し、窒素の上の電子が増えてプロトンを受け取りやすいため。アニリンの非共有電子対はベンゼン環に非局在化するため、脂肪族アミンより塩基性は弱くなります。
- ⑵ ジエチルアミンで、窒素の非共有電子対が共鳴に使われず、アルキル基からの電子の供与も受けるため。脂肪族アミンの非共有電子対は局在しており、アルキル基の電子供与で塩基性がさらに強まります。
- ⑶ アセトアミドで、窒素の非共有電子対がカルボニル基と共鳴し、窒素の電子密度が高まっているため。アミドの非共有電子対はカルボニル基との共鳴に使われ、塩基性はほとんど示しません。
- ⑷ ピリジンで、窒素の非共有電子対がsp混成軌道にあり、原子核から遠く離れた位置にあるため。ピリジンの非共有電子対はsp2混成軌道にあり、s性が高いため脂肪族アミンより塩基性は弱くなります。
- ⑸ ピロールで、窒素の非共有電子対が芳香族性の電子系に組み込まれ、プロトンとの結合に使われやすいため。ピロールの非共有電子対は芳香族性の維持に使われるため、塩基性はきわめて弱くなります。
解説
正解は⑵です。アミンの塩基性は、窒素の非共有電子対がプロトンを受け取りやすいほど強くなります。ジエチルアミンの非共有電子対は窒素に局在し、2つのエチル基が電子を供与するため、最も強い塩基性を示します。アニリンやアセトアミドでは非共有電子対がベンゼン環やカルボニル基と共鳴して非局在化し、ピロールでは芳香族性の電子系に使われるため、塩基性は弱くなります。ピリジンはsp2混成のため脂肪族アミンより弱い塩基です。
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