有機化合物の構造を推定するため、質量分析法で得られたスペクトルを解析した。質量分…
有機化合物の構造を推定するため、質量分析法で得られたスペクトルを解析した。質量分析法とその結果の解釈に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 電子イオン化法で生じる分子イオンは、分子が電子を1個受け取ってできた陰イオンのラジカルである。電子イオン化法では、分子から電子が1個はじき出されて陽イオンのラジカルが生じます。
- ⑵ 臭素原子を1個含む化合物では、分子イオンと、質量電荷比が2大きいイオンのピークがほぼ同じ強さで現れる。臭素には質量数79と81の同位体がほぼ同じ割合で存在するため、2つのピークが同程度に現れます。
- ⑶ 窒素原子を奇数個含む有機化合物では、分子イオンの質量電荷比が奇数の値になる。窒素の質量数は偶数で原子価は奇数のため、窒素を奇数個含むと分子量が奇数になります。
- ⑷ エレクトロスプレーイオン化法はイオン化のエネルギーが大きく、分子に関する情報を与えるイオンがほとんど観測されない。エレクトロスプレーイオン化法は穏やかなイオン化法で、分子量に関わるイオンを観測しやすい方法です。
- ⑸ 質量電荷比が同じイオンであれば、電荷の数が異なっていても、もとの質量は等しい。質量電荷比が同じでも、電荷の数が2倍なら質量も2倍になります。
解説
正解は⑵と⑶です。臭素には質量数79と81の同位体がほぼ1対1で存在するため、臭素を1個含む化合物では分子イオンと質量電荷比が2大きいピークがほぼ同じ強さで現れます。塩素では約3対1になります。窒素を奇数個含む化合物は分子量が奇数になる窒素則も構造推定に役立ちます。電子イオン化法では分子から電子がはじき出されて陽イオンのラジカルが生じ、エレクトロスプレーイオン化法は穏やかなイオン化法です。
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