中心静脈カテーテルを留置している70歳の男性がカンジダ血症と診断され、ミカファン…
中心静脈カテーテルを留置している70歳の男性がカンジダ血症と診断され、ミカファンギンの点滴静注が始まった。この薬の作用のしくみと、ヒトの細胞に作用しにくい理由として、正しいのはどれか。
- ⑴ 真菌の細胞の中でフルオロウラシルに変わり、核酸の合成を妨げることで増殖を抑える。真菌の中でフルオロウラシルに変わるのはフルシトシンの作用です。
- ⑵ 真菌の細胞壁のβ-グルカンの合成を阻害し、細胞壁のないヒトの細胞には作用しにくい。キャンディン系はヒトの細胞にない細胞壁を標的にするため、選択毒性が高い薬です。
- ⑶ 真菌のラノステロールの脱メチル化を阻害し、細胞膜をつくるエルゴステロールの合成を妨げる。ラノステロールの脱メチル化の阻害はアゾール系抗真菌薬の作用です。
- ⑷ 真菌のスクアレンエポキシダーゼを阻害し、細胞膜の材料の合成を初めの段階で止める。スクアレンエポキシダーゼの阻害はテルビナフィンの作用です。
- ⑸ 真菌の細胞膜にあるエルゴステロールに結合して孔をつくり、細胞の中身を外へ漏れ出させる。エルゴステロールに結合して孔をつくるのはアムホテリシンBの作用です。
解説
正解は⑵です。ミカファンギンはキャンディン系の抗真菌薬で、真菌の細胞壁の主な成分である1,3-β-D-グルカンの合成酵素を阻害し、細胞壁をつくれなくします。ヒトの細胞には細胞壁がないため、選択毒性が高く副作用が比較的少ない薬です。カンジダ属には殺菌的に働きます。細胞膜のエルゴステロールを標的とするアゾール系やアムホテリシンBとは作用の場所が異なり、クリプトコックスには効果が乏しいことも特徴です。
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