ある薬物が、酵素の活性部位に基質と競い合って可逆的に結合する競合阻害薬であること…
ある薬物が、酵素の活性部位に基質と競い合って可逆的に結合する競合阻害薬であることが分かった。この薬物が一定濃度で存在するときの酵素反応の変化として、正しいのはどれか。
- ⑴ 酵素と基質が結合した複合体に結合して反応を止めるため、ミカエリス定数と最大反応速度がともに小さくなる。酵素基質複合体に結合し両方を小さくするのは不競合阻害の特徴です。
- ⑵ 見かけのミカエリス定数は大きくなるが、基質を十分に増やせば最大反応速度は阻害前と同じになる。競合阻害では基質が多いほど阻害薬を押しのけるため、最大反応速度は変わらず見かけの親和性が下がります。
- ⑶ 活性部位から離れた部位に結合して酵素の立体構造を変え、基質との結合を強めて反応速度を高める。離れた部位に結合して活性を高めるのはアロステリックな活性化で、競合阻害とは異なります。
- ⑷ 最大反応速度は小さくなるが、ミカエリス定数は変わらず、基質の濃度を上げても阻害の程度は同じに保たれる。これは非競合阻害の特徴です。競合阻害では基質濃度を上げると阻害は打ち消されます。
- ⑸ 活性部位の残基と共有結合をつくって酵素を失活させるため、薬物を取り除いても活性は回復しない状態になる。共有結合で失活させるのは不可逆的阻害で、可逆的に結合する競合阻害とは異なります。
解説
正解は⑵です。競合阻害薬は基質と同じ活性部位を奪い合うため、同じ反応速度を得るにはより多くの基質が必要になり、見かけのミカエリス定数が大きくなります。一方、基質を十分に高濃度にすれば阻害薬は押しのけられ、最大反応速度は阻害のないときと同じになります。最大反応速度が下がるのは非競合阻害、両方が下がるのは不競合阻害、活性が戻らないのは不可逆的阻害の特徴です。
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