医薬品が結合する酵素や受容体はたんぱく質であり、その立体構造は主鎖をつなぐペプチ…
医薬品が結合する酵素や受容体はたんぱく質であり、その立体構造は主鎖をつなぐペプチド結合の性質に大きく左右される。ペプチド結合の化学的な性質として、正しいのはどれか。
- ⑴ 窒素の非共有電子対がカルボニル基と共鳴し、C-N結合が二重結合性を帯びて回転しにくくなっている。共鳴によりペプチド結合は平面構造をとり、主鎖の折れ曲がりはその両側の結合の回転で生じます。
- ⑵ 結合をつくる原子はねじれた配置をとり、主鎖の折れ曲がりの大部分はこのC-N結合の回転によって生じる。C-N結合は回転しにくく、主鎖の折れ曲がりはα炭素の両側にある単結合の回転で生じます。
- ⑶ 2つのシステイン残基のチオール基が酸化されて生じる結合で、還元剤を加えると切れて元に戻る。これはジスルフィド結合の説明で、主鎖のアミノ酸どうしをつなぐペプチド結合とは異なります。
- ⑷ アミド窒素が強い塩基性を示すため、生理的なpHでは主鎖の窒素がプロトン化して正電荷を帯びている。アミド窒素の非共有電子対は共鳴に使われているため塩基性はきわめて弱く、プロトン化はほとんど起こりません。
- ⑸ アミノ基とカルボキシ基の間に生じるエステル結合で、弱いアルカリの水溶液の中で速やかに加水分解される。ペプチド結合はアミド結合で、エステル結合より加水分解されにくく、分解には強い酸や酵素が必要です。
解説
正解は⑴です。ペプチド結合は、アミノ酸のカルボキシ基と次のアミノ酸のアミノ基が脱水縮合してできるアミド結合です。窒素の非共有電子対がカルボニル基と共鳴するため、C-N結合は部分的な二重結合性を帯び、結合に関わる6個の原子は同一平面上に並びます。そのためこの結合は自由に回転できず、主鎖の立体構造はα炭素の両側の単結合の回転で決まります。アミド窒素の塩基性はきわめて弱いのも特徴です。
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