25歳の男性。グルコース-6-リン酸脱水素酵素の欠損があり、ある薬の服用後に溶血…
25歳の男性。グルコース-6-リン酸脱水素酵素の欠損があり、ある薬の服用後に溶血を起こした。赤血球では、この酵素の働く経路でつくられるNADPHが酸化ストレスから細胞を守っている。糖質の代謝とATPの産生について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ クエン酸回路は細胞質で進み、1回転するごとに直接多量のATPを生じさせる主要な経路である。クエン酸回路はミトコンドリアのマトリックスで進み、直接生じる高エネルギー化合物は1分子です。
- ⑵ 糖新生は主に骨格筋で行われ、筋肉でつくられたグルコースが血中に放出されて血糖を保つ。糖新生は主に肝臓と腎臓で行われ、骨格筋はグルコースを血中に放出できません。
- ⑶ 解糖系は酸素を必要とする経路で、酸素のない状態ではグルコースを分解できなくなる。解糖系は酸素を必要とせず、嫌気的な条件でもピルビン酸や乳酸までの分解が進みます。
- ⑷ ペントースリン酸回路では、NADPHと、核酸の合成に用いるリボース5-リン酸がつくられる。脂肪酸合成や還元反応に必要なNADPHと、ヌクレオチドの材料をつくる経路です。
- ⑸ 電子伝達系では、内膜をはさんだ水素イオンの濃度勾配を使ってATP合成酵素がATPをつくる。電子の移動に伴って水素イオンがくみ出され、その勾配のエネルギーでATPが合成されます。
解説
正解は⑷と⑸です。解糖系は細胞質で進み、酸素がなくてもグルコースをピルビン酸に分解してATPをつくります。ピルビン酸はミトコンドリアでアセチルCoAとなり、クエン酸回路でNADHやFADH2を生じます。これらの電子が電子伝達系に渡されると水素イオンの濃度勾配ができ、ATP合成酵素がATPを合成します。ペントースリン酸回路はNADPHとリボース5-リン酸をつくり、糖新生は主に肝臓で行われます。
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