2歳6か月の女児。1歳ころから時々眼が内に寄ることを主訴に来院した。森実式ドット…
2歳6か月の女児。1歳ころから時々眼が内に寄ることを主訴に来院した。森実式ドットカードでの視力は右0.4、左0.2。裸眼での眼位は、Krimsky 法で30 Δ内斜視、交代固視は可能であり、むき運動は正常である。アトロピン硫酸塩点眼による他覚的屈折値は右+9.00 D、左+9.50 D であり、眼鏡を処方された。眼鏡装用下の眼位は10 Δ内斜視である。今後の視能矯正で適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 交代遮閉訓練を行う。交代固視が可能で、交代遮閉訓練を行う必要はありません。
- ⑵ 眼鏡装用で経過観察を行う。強い遠視の完全矯正眼鏡を継続し、視力と眼位の変化を経過観察します。
- ⑶ 裸眼での内斜視角に対して斜視手術を行う。調節性成分は眼鏡で矯正されるため、裸眼の角度で手術すると過矯正になります。
- ⑷ 残余内斜視角に対してプリズム療法を行う。眼鏡装用下で残る10Δの内斜視に、プリズムで両眼視を促します。
- ⑸ 右眼にアトロピン硫酸塩を点眼し遮閉訓練を行う。両眼の屈折異常弱視で交代固視も可能なため、片眼のペナリゼーションは不要です。
解説
正解は⑵と⑷です。2歳6か月の女児で、両眼とも+9D台の強い遠視があり、眼鏡で内斜視が30Δから10Δへ減少したことから、調節性の成分の大きい内斜視と考えられます。両眼の視力低下は屈折異常弱視によるもので、交代固視が可能なため片眼の遮閉は必要ありません。まず眼鏡装用を続けて視力の発達と眼位の変化を経過観察し、残った10Δの内斜視にはプリズム療法で両眼視を促すのが適切です。裸眼の斜視角に対して手術を行うと、眼鏡装用時に過矯正となります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp160411-07.html)を加工して作成