16歳の女子。マルチブラケット装置で治療中である。レベリングの後、上顎右側中切歯…
16歳の女子。マルチブラケット装置で治療中である。レベリングの後、上顎右側中切歯の切縁が隣の中切歯より歯肉側に上がり、歯冠が短く見えるようになった。ワイヤーは歯列に沿ってなめらかに入っている。この原因として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ この歯の歯根が吸収されて短くなり、歯冠が骨の中に沈み込んだ。歯根吸収があっても、歯冠が骨の中に沈み込むように上がることはありません。
- ⑵ ワイヤーの太さが細すぎたため、この歯が歯根の方向へ大きく移動した。ワイヤーの太さは力の大きさに関わりますが、1本だけ圧下される原因にはなりません。
- ⑶ この歯のブラケットが標準の位置より歯頸部寄りに付けられ、歯が圧下された。歯頸部寄りに付けると、歯は挺出して切縁が下がって見えるようになります。
- ⑷ この歯のブラケットが標準の位置より切縁寄りに付けられ、歯が圧下された。ブラケットが切縁寄りにあると、まっすぐなワイヤーで歯は歯肉側へ押し込まれます。
- ⑸ 隣の中切歯が骨と癒着して動かなくなり、相対的に上がって見えている。癒着で動かない歯は低位になりやすく、この歯が上がって見える理由にはなりません。
解説
最も考えられるのは、この歯のブラケットが標準の位置より切縁寄りに付けられ、歯が圧下されたことです。マルチブラケット装置では、まっすぐなワイヤーをブラケットに入れると、各歯はブラケットの位置がそろうように動きます。ブラケットが切縁寄りに付いていると歯は歯肉側へ押し込まれ、歯頸部寄りに付いていると歯は挺出します。ブラケットの位置を付け直すか、ワイヤーに段差を付けて修正します。
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