10歳の男子。上顎前突を主訴に来院した。下顎下縁平面の傾きが大きく、顔の下3分の…
10歳の男子。上顎前突を主訴に来院した。下顎下縁平面の傾きが大きく、顔の下3分の1が長い。前歯の垂直的な被蓋は浅い。上顎大臼歯の遠心移動と上顎の前方成長の抑制を目的に、ヘッドギアを用いることにした。この患者に適したヘッドギアの使い方はどれか。
- ⑴ オトガイ部に帽子から力をかけ、下顎の前方への成長を抑える。オトガイ部への力で下顎の成長を抑えるのはチンキャップで、下顎の後退した例に逆効果です。
- ⑵ ヘッドギアは日中の授業中に限って装着し、夜間は外す。ヘッドギアは主に家庭と就寝中に、1日の装着時間を確保して用います。
- ⑶ 頸部から後方へ引くサービカル型を選び、上顎大臼歯を挺出させる。大臼歯の挺出は下顎を後下方へ回転させ、顔の下部をさらに長くします。
- ⑷ 上後方へ引くハイプル型を選び、上顎大臼歯の挺出を防ぐ。上後方への牽引は大臼歯を挺出させにくく、顔の下部が長い患者に適しています。
- ⑸ 顔面にマスクを当て、上顎骨を前方へ引き出す。上顎骨を前方へ引くのは上顎前方牽引装置で、上顎前突には用いません。
解説
頭頂側から上後方へ引くハイプル型を選び、上顎大臼歯の挺出を防ぐのが適切です。ヘッドギアは牽引の方向によって作用が異なり、頸部から引くサービカル型は大臼歯を遠心へ動かすとともに挺出させ、下顎を後下方へ回転させます。顔の下部が長く前歯の被蓋が浅い患者でこれを用いると、開咬の傾向が強まります。上後方へ引くハイプル型は挺出を抑えられるため、このような患者に適しています。
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