21 歳の女性。統合失調症。「誰かに監視されている」と言い、近隣でのトラブルが続…
21 歳の女性。統合失調症。「誰かに監視されている」と言い、近隣でのトラブルが続いたため精神科に入院となった。入院後、症状は軽減したが、無為の状態が続いており、入院3 週目に作業療法が開始された。作業活動中に、「いつも誰かに見られているから、作業活動をやめたい」と申し出た。作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。
- ⑴ 活動種目を変更する。訴えのもとは作業の内容ではなく妄想的な体験ですから、種目を変えても「見られている」という訴えは続きます。
- ⑵ 作業療法の参加を中止する。中止すると無為の状態に戻りやすく、せっかく始まった活動への参加の機会を失ってしまいます。
- ⑶ 作業活動に集中するように声をかける。妄想の内容に深入りせず、注意を目の前の作業へ向け直す対応です。訴えを受け止めながら参加を続けられます。
- ⑷ 主治医へ報告するために訴えを詳細に聴く。妄想の内容を詳しく聴き取ると体験への没入が強まりやすく、この場面で最初に行う対応としては適切ではありません。
- ⑸ 「見られている」のは勘違いであることを指摘する。訴えを否定されたと受け取られやすく、信頼関係を損ないます。妄想は説明で訂正できるものではありません。
解説
正解は⑶です。統合失調症の妄想的な訴えには、内容を否定も肯定もせず、深く掘り下げないことが原則です。この方は症状が軽減した一方で無為の状態が続いており、作業療法は注意を現実の活動へ向け直す場になります。訴えを受け止めたうえで、目の前の作業に集中できるよう声をかけることで、体験への没入を弱めながら参加を保てます。訴えが強まったり生活に支障が出るようであれば、その時点で主治医に報告します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-08_09.html)を加工して作成