48 歳の男性。工場勤務から管理職に抜擢され時間外労働が増えた。精力的に取り組ん…
48 歳の男性。工場勤務から管理職に抜擢され時間外労働が増えた。精力的に取り組んでいたが、熱心に指導してきた部下の退職を契機に自責的になり、出勤できず、家で寝ていることが増えた。妻の勧めで入院し、薬物療法が開始された。睡眠障害や倦怠感が若干軽減し、入院10 日目に作業療法が処方された。導入時面接では返答がスムーズにできず、「動けない」「何もしたくない」「退職したい」と述べた。作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。
- ⑴ 身体機能を評価する。訴えの中心は気分・意欲の低下であり、この時期にまず優先すべきは身体機能評価ではなく生活状況の把握です。
- ⑵ 導入をいったん中止する。反応が乏しいことのみをもって導入を中止する必要はなく、負担の少ない方法で関わりを続けることが可能です。
- ⑶ 面接はパラレルな場で行う。面接は本人の状態を丁寧に把握するために落ち着いた個別の場で行うべきで、他者と並行して作業を行うパラレルな場は適していません。
- ⑷ 退職について妻と相談するよう勧める。退職についての判断を急いで妻と相談するよう勧めることは作業療法士の役割ではなく、症状が安定してから考えるべき事柄です。
- ⑸ 入院生活チェックリストの記入を促す。言語的な負担が少ないチェックリストへの記入は、意欲低下がある時期でも取り組みやすく、生活状況を客観的に把握できます。
解説
正解は⑸です。薬物療法により症状がやや軽減した段階とはいえ、返答がスムーズにできず「動けない」「何もしたくない」と訴える状態であり、まだ心身の負荷を抑えた関わりが必要です。入院生活チェックリストへの記入は、面接での言語的なやり取りに比べて本人への負担が小さく、日常生活の実際の状況を客観的に把握できるため、この時期の導入方法として最も適切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-08_09.html)を加工して作成