この患者が作業療法を開始したときに観察されるのはどれか。
次の文により、 2 、 3 の問いに答えよ。65 歳の男性。右利き。右頭頂葉の脳梗塞による片麻痺。MMSE 19/30 点。Brunnstrom 法ステージは上肢・手指、下肢ともにⅢ。回復期リハビリテーション病棟で作業療法が開始された。検査結果(別冊No. 1)を別に示す。
この患者が作業療法を開始したときに観察されるのはどれか。
- ⑴ 皿の右側の食物を残す。左半側空間無視では、無視側である左側の食物が残りやすく、右側の食物を残すという記述は当てはまりません。
- ⑵ 左側からが起き上がりやすい。左側への注意が向きにくいため、左側からの働きかけでかえって反応が乏しくなりやすいと考えられます。
- ⑶ 車椅子駆動の際に左側によくぶつかる。左側の空間や物体への注意が向きにくいため、車椅子駆動時に気づかないまま左側にぶつかりやすくなります。
- ⑷ 介助者が左側から誘導すると反応が良い。無視側である左側からの誘導には気づきにくく、むしろ反応が乏しくなりやすいと考えられます。
- ⑸ 作業療法室で人が多いと左側へ注意がそれる。左側への注意はそもそも向きにくいため、人が多い状況で左側へ注意がそれるという記述は当てはまりません。
解説
正解は⑶です。左半側空間無視のある患者は、左側の空間や物体への注意が向きにくくなるため、車椅子を駆動する際に気づかないまま左側の壁や物にぶつかりやすくなります。皿の食物を残すのは無視側である左側であって右側ではなく、起き上がりや誘導、注意の転導についても、無視のある左側からの刺激には気づきにくいため、これらの記述は左半側空間無視の症状としては当てはまりません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-08_09.html)を加工して作成