注意欠如・多動症〈注意欠如・多動性障害〉を強く示唆する患者の発言はどれか。
注意欠如・多動症〈注意欠如・多動性障害〉を強く示唆する患者の発言はどれか。
- ⑴ 「今朝、私の脳が溶けて流れ出しました」身体の内部の異常な感覚を妄想的に語る訴えであり、統合失調症でみられます。多動性や衝動性を示す発言ではありません。
- ⑵ 「周囲の全てが不気味で、何かが起こりそうで怖いです」周囲が不気味で何かが起こりそうという漠然とした緊迫感は妄想気分です。統合失調症の初期にみられる訴えです。
- ⑶ 「じっとしているのが苦手で、後先考えずに行動して失敗します」じっとしていられない多動性と、後先を考えずに行動する衝動性がそのまま語られており、注意欠如・多動症の中核症状を強く示唆します。
- ⑷ 「まるで映画を見ているような感じで、周囲の景色に現実感がありません」自分や周囲に現実感がなくなる離人・現実感喪失の訴えです。解離に関連する症状で、多動や衝動性とは異なります。
- ⑸ 「検査で異常はないと言われましたが、私は間違いなく末期癌だと思います」検査で否定されても重い病気だと確信するのは心気妄想です。うつ病などでみられ、注意欠如・多動症の特徴ではありません。
解説
正答は⑶です。じっとしていることが苦手という多動性と、後先を考えずに行動して失敗するという衝動性は、注意欠如・多動症の中核となる特徴ですので、この発言が最も強く示唆します。ほかの発言はいずれも別の状態を示しています。脳が溶けて流れ出したという訴えは身体の内部に関する妄想、周囲の全てが不気味で何かが起こりそうという訴えは妄想気分で、いずれも統合失調症でみられます。周囲に現実感がないという訴えは離人・現実感喪失、検査で異常がないのに末期癌だという訴えは心気妄想にあたります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-08_09.html)を加工して作成