33 歳の女性。1 年前から娘の不登校で心労が重なっていた。1 か月前から不眠と…
33 歳の女性。1 年前から娘の不登校で心労が重なっていた。1 か月前から不眠と意欲低下が出現した。2 週前からは口数が減り、食事をほとんど口にせず、「私は母親失格です」と涙をこぼすようになった。夫に付き添われ精神科を受診し入院となり、作業療法が開始された。入院10 日目、担当する作業療法士に「もう死なせて下さい。今日で終わりにしたいです」と訴えた。作業療法士の対応で適切なのはどれか。
- ⑴ 「世の中にはもっと苦しい人もいます」他人と比べる言葉は、訴えを軽く扱われたと感じさせて自責の念を強めます。比較ではなく本人の苦しみに向き合う必要があります。
- ⑵ 「死にたいなどと言わずにもっと頑張りましょう」頑張るよう促すのは、うつ病でできないことを求める励ましです。できない自分を責める気持ちをさらに強めてしまいます。
- ⑶ 「薬が効いていないので、主治医に伝えておきます」主治医への報告は必要ですが、薬の問題として片づけると訴えに向き合わないまま話が終わります。まず気持ちを聴く姿勢が先です。
- ⑷ 「なぜそのような気持ちになったのか、聞かせて下さい」訴えを否定せずに背景を語ってもらう対応です。語ることで緊張が和らぎ、危険の程度を把握してチームで支える手がかりも得られます。
- ⑸ 「まだ入院したばかりですから、辛くても我慢して下さい」我慢を求める言葉は苦痛を抱え込ませ、理解されないという思いを強めます。訴えを受け止める対応にはなりません。
解説
正答は⑷です。死にたいという訴えを受けたときは、否定も励ましもせずに真剣に受け止め、その気持ちの背景を本人の言葉で語ってもらう姿勢が適切です。語ることそのものが緊張を和らげ、危険の程度を評価して主治医やチームに正確に伝えるための情報にもなります。他人と比べたり頑張るよう促したり我慢を求める言葉は、理解されないという思いを強めて孤立させます。薬の効果の問題として片づける返答も、本人の訴えに向き合わないまま話を終わらせてしまう対応になります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-08_09.html)を加工して作成