60 歳の女性。うつ病。半年前から家事はできず横になって過ごすことが増えた。最近…
60 歳の女性。うつ病。半年前から家事はできず横になって過ごすことが増えた。最近、悲哀感や不安感が強くなり夫に付き添われ精神科を受診したところ、不安の軽減と活動性の向上を目的に外来作業療法が開始された。この患者の評価に使用する非自記式の尺度で適切なのはどれか。
- ⑴ BDI-Ⅱ本人が21 項目に回答して抑うつの程度を測る自記式の尺度です。面接者が評価する非自記式という条件に合いません。
- ⑵ HAM-D〈HRS-D〉面接者が観察と質問をもとに抑うつ症状の各項目を評点する尺度で、非自記式にあたります。本人の記入の負担も生じません。
- ⑶ L-SAS社交場面での恐れと回避の程度を測る尺度で、本人が回答する形式が広く用いられています。うつ病の重症度評価にも適しません。
- ⑷ SDS本人が20 項目に回答する抑うつの自記式尺度です。簡便ですが、面接者が評価する非自記式の尺度ではありません。
- ⑸ STAI状態不安と特性不安を本人が回答して測る自記式の尺度です。非自記式という条件に合わず、抑うつの評価も目的としていません。
解説
正答は⑵の HAM-D です。非自記式とは、本人が記入するのではなく面接者が観察と質問をもとに評価する形式を指します。HAM-D は面接者が抑うつ気分や睡眠、不安、身体症状などの項目を評点する尺度ですので、この条件に当てはまります。半年前から横になって過ごすことが増え、悲哀感や不安感が強い本例では、本人の記入による負担も避けられます。BDI-Ⅱ と SDS は抑うつの自記式尺度、STAI は不安の自記式尺度、L-SAS は社交不安の程度を測る尺度で、いずれも本人が回答する形式です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-08_09.html)を加工して作成