30 歳の女性。事務職。元来仕事熱心で上司の信頼が厚かった。指導していた新人の部…
30 歳の女性。事務職。元来仕事熱心で上司の信頼が厚かった。指導していた新人の部下が突然退職し、自分の指導方針が誤っていたためではないかと自責の念にかられた。その後、抑うつ気分、意欲低下、食欲低下および睡眠障害が出現し、仕事上のミスが増えたため、精神科を受診した。うつ病と診断され、希死念慮も認められたため入院となった。入院2 週目に作業療法が開始された。作業療法開始時に収集すべき情報で適切でないのはどれか。
- ⑴ 睡眠の状態適切な情報です。睡眠の状態はうつ病の回復の程度をよく反映し、作業療法の時間や活動量を決める判断材料になります。
- ⑵ 日中の過ごし方適切な情報です。日中どのように過ごしているかを知ることで、生活リズムの乱れや活動の偏りを把握できます。
- ⑶ 病気に対する認識適切な情報です。病気をどう理解しているかは、休養の受け入れや作業への取り組み方に影響しますので開始時に確かめます。
- ⑷ 疲労感適切な情報です。疲労感の程度は活動の負荷を決める目安になり、無理をさせない計画づくりに欠かせません。
- ⑸ 復職の希望時期適切でない情報収集なのでこれが正答です。希死念慮のある急性期に復職の時期を尋ねると、焦りと自責を強めて症状を悪化させる恐れがあります。
解説
正答は⑸です。入院2 週目で希死念慮が認められた直後の段階ですから、復職の希望時期を尋ねるのは適切ではありません。回復の見通しが立たないうちに復職の話題を持ち出すと、焦りや自責の念を強め、症状を悪化させる恐れがあります。この時期に集めるべき情報は、睡眠の状態、日中の過ごし方、疲労感といった生活と体調の実際と、病気に対する本人の認識です。これらは活動の量や作業の内容を決める判断材料になりますので、復職に関する話し合いは症状が安定してから改めて行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-08_09.html)を加工して作成