30 歳の女性。統合失調症。高校在学中に発症し休学をしながらも高校を卒業した。そ…
30 歳の女性。統合失調症。高校在学中に発症し休学をしながらも高校を卒業した。その後数回の入退院を経て、現在精神科デイケアを利用している。「作業の手順が分からない」、「説明がよく分からない」と訴えるため、認知機能検査を実施した。図版の一部を図に示す。この検査で評価するのはどれか。
- ⑴ 運動機能手指や上肢の速さや器用さを測るには、ペグの移動などの運動課題を用います。示された図版は運動の速度を測る課題ではありません。
- ⑵ 遂行機能規則に従って駒を目標の配置に動かす課題で、手順を計画してから実行する力を測ります。手順が分からないという訴えの評価に適します。
- ⑶ 言語流暢性言語流暢性は制限時間内に語をできるだけ多く挙げる課題で測ります。図版を用いた操作課題では評価できません。
- ⑷ 注意と処理速度注意と処理速度は記号の照合や数字の順次処理など、速さを競う課題で測ります。計画を要する操作課題とは目的が異なります。
- ⑸ ワーキングメモリーワーキングメモリーは数字や語の保持と操作を求める課題で測ります。図版を動かして目標形をつくる課題の主眼ではありません。
解説
正答は⑵の遂行機能です。「作業の手順が分からない」「説明がよく分からない」という訴えは、目標に向けて段取りを組み立て、順序を計画して実行する力の低下を示します。示された図版は、いくつかの円盤や駒を規則に従って目標の配置へ動かす課題で、あらかじめ手順を計画してから実行する能力、すなわち遂行機能を評価するものです。運動機能や言語流暢性、注意と処理速度、ワーキングメモリーも統合失調症では低下しますが、これらは反応の速さや保持といった別の側面を測る課題で調べます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-08_09.html)を加工して作成