18 歳の男子。2 年前までは成績優秀で友人も多かった。1 年前から口数が減り徐…
18 歳の男子。2 年前までは成績優秀で友人も多かった。1 年前から口数が減り徐々に欠席が増え、半年前から不登校となった。「隣人が見張っている」と言いだし自室のカーテンを一日中閉めたままにしている。1 か月前から自室に引きこもり、「自分の考えが人に伝わってしまう」、「誰もいないのに自分の悪口が聞こえてくる」などと言うようになった。2 週前から入浴をしていない。この患者の症状で誤っているのはどれか。
- ⑴ 幻 聴「誰もいないのに自分の悪口が聞こえてくる」という訴えがあり、幻聴は実際に認められる症状です。記述として正しいので正答ではありません。
- ⑵ 行為心迫誤った記述なのでこれが正答です。行為心迫は行動が次々にあふれ出る躁状態の症状で、引きこもって活動が乏しい本例とは逆の状態です。
- ⑶ 思考伝播「自分の考えが人に伝わってしまう」という訴えは思考伝播そのものです。実際に認められる症状ですので正答ではありません。
- ⑷ 被害妄想「隣人が見張っている」と述べてカーテンを閉め続けており、被害妄想が認められます。記述として正しいので正答ではありません。
- ⑸ 無為自閉口数が減り自室に引きこもって入浴もしなくなった状態は無為自閉にあたります。実際に認められる症状ですので正答ではありません。
解説
正答は⑵です。行為心迫は次から次に行動を起こさずにいられない状態で、躁状態でみられる症状ですので、本例の経過には認められません。ほかの4 つはいずれも記載から読み取れます。「誰もいないのに自分の悪口が聞こえてくる」は幻聴、「自分の考えが人に伝わってしまう」は思考伝播、「隣人が見張っている」は被害妄想にあたり、口数が減り自室に引きこもって入浴もしなくなった状態は無為自閉です。思春期から青年期に緩やかに始まるこうした症状の組み合わせは、統合失調症に特徴的な経過として押さえておきます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-08_09.html)を加工して作成