境界性パーソナリティ障害の患者に対する作業療法士の対応で適切なのはどれか。
境界性パーソナリティ障害の患者に対する作業療法士の対応で適切なのはどれか。
- ⑴ 作業による衝動の発散を行う。作業という形のある活動を通して衝動を安全に発散し、自分の感情に気づいて言葉にできるよう促すことは、この障害に対して治療的に働きます。
- ⑵ 作業療法の頻度は希望により変更する。約束の時間や頻度といった枠組みを一定に保つことが治療の土台になります。希望に応じて変えると枠組みが崩れ、不安定さが増します。
- ⑶ 治療関係で生じる陽性転移を利用する。理想化とこき下ろしが激しく入れ替わる特徴があるため、陽性転移を利用すると関係の揺れが大きくなり、その後の反動も強くなります。
- ⑷ 人の入れ替わりが多い集団を利用する。人が入れ替わる環境は見捨てられる不安を高めます。安定した顔ぶれと決まった枠組みの場のほうが適しています。
- ⑸ 作業療法士への依存を通して関係を築く。依存を強めると要求が拡大し、操作的な関係になりやすくなります。適切な距離を保ちながら関係を築きます。
解説
正答は⑴です。境界性パーソナリティ障害では感情が揺れやすく衝動性が高いため、作業という形のある活動に取り組むなかで衝動を安全に発散し、自分の感情に気づいて言葉にできるようにすることが治療的に働きます。ほかの選択肢はいずれも不安定さを強めてしまいます。頻度を本人の希望で変えると治療の枠組みが崩れ、陽性転移を利用すれば理想化とこき下ろしの揺れが大きくなります。人の入れ替わりが多い集団は見捨てられる不安を高め、依存を通した関係づくりは操作的な関係を招きます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-08_09.html)を加工して作成