50 歳の男性。1 年前より物忘れのために仕事で失敗が認められるようになった。ま…
50 歳の男性。1 年前より物忘れのために仕事で失敗が認められるようになった。また、通勤中道に迷うようになったため、3 か月前に退職。精神科病院でAlzheimer 型認知症の診断を受け、精神科作業療法に通うこととなった。この患者の症状を評価する尺度で最も適切なのはどれか。
- ⑴ NPI妄想や興奮、抑うつ、無為など認知症の行動・心理症状を、介護者からの聴取で頻度と重症度に分けて評価する尺度で、本例の症状把握に適します。
- ⑵ PANSS統合失調症の陽性症状・陰性症状と総合精神病理を評価する尺度です。認知症の行動・心理症状を測る道具ではありません。
- ⑶ RAS精神障害からの回復に対する本人の意識や主体性を測る尺度です。アルツハイマー型認知症の症状評価には用いません。
- ⑷ SANS統合失調症の陰性症状を評価する尺度です。無為や感情の平板化を扱いますが、認知症の症状全体をとらえる尺度ではありません。
- ⑸ SMSF認知症の行動・心理症状を頻度と重症度で包括的にとらえる尺度ではありませんので、本例の症状評価の第一選択にはなりません。
解説
正答は⑴のNPI です。NPI は妄想、幻覚、興奮、抑うつ、不安、無為などの行動・心理症状について、頻度と重症度を介護者から聴き取って評価する尺度で、アルツハイマー型認知症の症状評価に広く用いられます。本例は物忘れや道に迷うといった認知機能の低下に加え、退職に至る生活上の変化を伴っていますので、生活場面に現れる症状を把握できるこの尺度が適します。PANSS とSANS は統合失調症の症状を評価する尺度、RAS は回復に対する本人の主体性を測る尺度で、認知症の症状評価には向きません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-08_09.html)を加工して作成