30 歳の男性。会社員。中学生の頃より人前で話すときに緊張が強くなり、人と会うの…
30 歳の男性。会社員。中学生の頃より人前で話すときに緊張が強くなり、人と会うのを避けるようになった。大学卒業後に就職し、顧客との交渉が多い部署に配属となった。プレゼンテーションの際には動悸、発汗および腹痛が出現し、うまく行えなかった。仕事の業績も落ち込んだため精神科を受診した。最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 持続性抑うつ症〈気分変調症〉2 年以上続く軽い抑うつ気分が中心の障害です。本例の症状は人前で話す場面に限られ、持続的な気分の落ち込みは記載されていません。
- ⑵ 社交不安症〈社交不安障害〉注目される社交場面への強い恐れと回避、その場面で生じる動悸や発汗などの自律神経症状という特徴が、本例の経過に一致します。
- ⑶ 身体症状症身体の症状とその心配に長くとらわれる障害です。本例の身体症状は社交場面に限って現れ、症状自体への懸念が中心ではありません。
- ⑷ 全般不安症〈全般性不安障害〉仕事や健康など多方面のことを長期にわたり過剰に心配する障害です。本例は不安の対象が人前での場面に限られています。
- ⑸ パニック症〈パニック障害〉状況と関係なく突然生じるパニック発作と、その再発への不安が中心です。本例の症状は社交場面という引き金が明確な点で異なります。
解説
正答は⑵の社交不安症です。人前で話す場面に限って強い緊張が生じ、動悸・発汗・腹痛といった自律神経症状が現れて、人と会う状況そのものを避けるという経過は、他者から注目される場面への恐れを中心とする社交不安症に一致します。中学生の頃からの経過も、この障害が思春期に発症しやすいことと合います。持続性抑うつ症は慢性の抑うつ気分、身体症状症は身体の症状へのとらわれ、全般不安症は多方面への持続的な心配、パニック症は状況と無関係に起こる発作が中心で、場面が限られる本例には当てはまりません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-08_09.html)を加工して作成