作業療法開始から5 週後、安定して作業療法に参加し意欲的に活動に取り組むようにな…
次の文により、14、15 の問いに答えよ。34 歳の女性。中学校教諭。既婚で4 歳と6 歳の子どもがいる。半年前に学年主任になった頃から不眠が続き、欠勤が多くなった。3 か月前から食欲不振、焦燥感および不安感が出現し、「死にたい」と訴えたため精神科を受診した。診察の結果、休職して入院治療を受けることになった。入院後、食欲は改善し、焦燥感と不安の訴えは少なくなったが、意欲低下の状態が続き、対人交流が苦痛であると訴えた。入院3 週目に意欲の向上を目的に作業療法が開始された。
作業療法開始から5 週後、安定して作業療法に参加し意欲的に活動に取り組むようになったため、家庭復帰と職場復帰が検討された。しかし、本人は家事や育児などの日常生活に対する不安を訴えている。この時点での作業療法士の対応で適切でないのはどれか。
- ⑴ 現職復帰にむけたOJT を計画する。適切でない記述なのでこれが正答です。日常生活への不安が残る段階で職場内訓練を組むのは負荷が大きく、再発の危険があります。
- ⑵ 小グループでの家事訓練を計画する。適切な支援です。同じ立場の人と一緒に家事を練習することで手順の確認と自信の回復が進み、訴えられた不安に直接応えられます。
- ⑶ 退院後の生活スケジュールを検討する。適切な支援です。退院後の一日と一週間の過ごし方を具体化しておくと生活リズムが保たれ、家庭復帰への不安が軽くなります。
- ⑷ 退院後の外来作業療法での支援を検討する。適切な支援です。退院後も外来作業療法で活動と相談の場を続けることは、生活の再構築を支え、再発の早期発見にもつながります。
- ⑸ 退院前訪問指導による生活場面の把握を行う。適切な支援です。実際の生活場面を訪問して確かめれば、家事や育児のどこでつまずくかを具体的に把握でき、支援の的が絞れます。
解説
正答は⑴です。本人が家事や育児といった日常生活に不安を訴えている段階ですので、いきなり現職に戻る前提で職場内訓練を計画するのは適切ではありません。うつ病の復職支援では、生活リズムと家庭生活を整えてから段階的に職場復帰へ進めます。小グループでの家事訓練、退院後の生活スケジュールの検討、外来作業療法での支援、退院前訪問指導による生活場面の把握はいずれも、この段階の不安を具体的に扱う支援として適切です。焦らせずに順序を踏むことが再発の予防につながります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-08_09.html)を加工して作成