この患者の病棟でのベッドから車椅子への移乗動作自立に向けた指導で適切なのはどれか…
次の文により、 7 、 8 の問いに答えよ。72 歳の男性。脳血管障害による左片麻痺。Brunnstrom 法ステージ上肢Ⅲ、手指Ⅲ、下肢Ⅴ。回復期リハビリテーション病棟へ転棟した。病室ではベッドから起き上がり、端座位は可能である。車椅子からベッドへの移乗動作は自力でできるが、ベッドから車椅子への移乗動作は触れる程度の最小介助が必要である。
この患者の病棟でのベッドから車椅子への移乗動作自立に向けた指導で適切なのはどれか。
- ⑴ 浅く腰掛けさせる。浅く腰掛けると足底が重心の下に来て前方への重心移動が容易になり、殿部が離れやすくなるため、立ち上がりを伴う移乗の自立に有利です。
- ⑵ 麻痺側下肢を軸に回転する。麻痺側下肢は支持性が乏しく、軸にすると膝折れや転倒を招きます。回転の軸は支持性のある非麻痺側下肢にとります。
- ⑶ 車椅子はベッドに平行に設置する。平行に置くと180 度近い方向転換が必要になり難しくなります。ベッドに対して20〜30 度の角度をつけて設置します。
- ⑷ 足部を膝より前方へ出して立ち上がる。足部を膝より前方に出すと重心が後方に残り、殿部が離れません。足部は膝の真下かやや後方に引いておきます。
- ⑸ ベッドの高さを車椅子より低くしておく。ベッドから車椅子へ移るのですから、ベッドが低いと持ち上げる動作が必要になります。ベッドをやや高くして下り勾配をつくる方が容易です。
解説
正答は⑴です。立ち上がる前に浅く腰掛けさせると足底が重心の下に来て前方への重心移動が容易になり、殿部が離れやすくなります。移乗の自立に向けた指導では、この重心移動をつくる姿勢の準備が要点になります。麻痺側下肢を軸に回転すると支持性が不足して膝折れを招きますので、軸は非麻痺側下肢にとります。車椅子はベッドと20〜30 度の角度をつけて置き、方向転換の量を減らします。足部を膝より前方に出すと重心が後方に残って立てず、移り先が高いと持ち上げる動作が必要になります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-08_09.html)を加工して作成