45 歳の女性。右乳癌の診断で、右乳房切除および腋窩リンパ節郭清術を受けた。術後…
45 歳の女性。右乳癌の診断で、右乳房切除および腋窩リンパ節郭清術を受けた。術後1 年経過。右上肢にリンパ浮腫(病期分類Ⅰ期)を生じた。患側の生活指導で最も正しいのはどれか。
- ⑴ 上肢を挙上する。Ⅰ期は挙上によって浮腫が軽減する段階です。患側上肢を心臓より高く保つ習慣は静脈とリンパの還流を助け、浮腫の軽減につながります。
- ⑵ 上肢へ負荷をかける。重い物を持つなどの強い負荷は組織間液の産生を増やし、浮腫を悪化させます。運動は軽いものから少しずつ増やす形にとどめます。
- ⑶ マッサージは強めにする。リンパドレナージは皮膚を軽くずらす程度の弱い圧で行います。強い圧は皮膚やリンパ管を傷め、かえって浮腫を悪化させます。
- ⑷ 肩関節の可動域訓練は避ける。関節運動による筋のポンプ作用はリンパの流れを促すため、可動域訓練は勧められます。避けると肩の拘縮を招いてしまいます。
- ⑸ 50 mmHg の上肢スリーブを装着する。上肢の弾性スリーブは20〜30 mmHg 程度が目安です。50 mmHg は下肢用に相当する強い圧で、血流を妨げ神経を圧迫する恐れがあります。
解説
正答は⑴です。リンパ浮腫の病期分類Ⅰ期は挙上により浮腫が軽減する段階ですので、日常生活のなかで患側上肢を心臓より高く保つよう指導します。あわせて患側への強い負荷や締めつけ、強い圧のマッサージ、外傷や感染を避けることが基本になります。重い物を持つような負荷は組織間液の産生を増やして浮腫を悪化させますし、強いマッサージは皮膚やリンパ管を傷めます。肩関節の可動域訓練は筋のポンプ作用を働かせてリンパの流れを助けるため、避けるのではなく勧められる運動です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-08_09.html)を加工して作成